2009年10月30日金曜日

「10へ」;8

10月26日(月)、「詩の通信IV」第6号を完成させ、夜になって発送しました。まる一週間ずれてしまいまして、これはそのまま、トロッタ10の準備が遅れていることを意味します。このブログは、内輪話を書く場ではありません。内輪話にとらわれていることが、ブログを停滞させていました。しばらくお待ちください。チラシを入稿しましたら、改めてご報告いたします。

2009年10月25日日曜日

「10へ」;7

小松史明さんから、昨夜、チラシの基本デザインが送られてきました。文字のはみ出しや、未決定の情報があります。これは急いで調整していかなければなりませんが、チラシの姿は見えてきました。サイトのタイトル周りは、この新しいデザインから取ったものです。お楽しみに。

2009年10月22日木曜日

「10へ」;6

私はトロッタの製作一般に携わっていますが、出演者でもあります。詩を書いていることは、作曲しているのと、同じ位置にあります。しかし、本番の舞台に立たなければいけないので、その事実は大切にしたいと思っています。製作が忙しくて練習不足になることは、避けなければいけません。

一回行うたびに、いろいろ反省点が生じます。それは、実行しているゆえの反省点です。何もしていなければ反省点すら生じません。より大きく、というのは規模のことではなく中身ですが、トロッタがより大きくなるために、反省を繰り返し、クリアしていくことは必要です。トロッタ9を終え、そのためのトロッタ10です。先日の「ボッサ 声と音の会vol.5」も、トロッタではありませんでしたが、大切な経験として、トロッタ10の役に立ってくれることでしょう。

2009年10月20日火曜日

「10へ」;5

サイトに、トロッタ10で用いる詩をアップし始めました。時間がかかりますので、一度には無理です。あとほんの少しなのですが、手元に資料がないものもあるので、しばらくは未完成です。

昨夜、小松史明さんが、進行中のチラシを送ってくれました。今回も力作であり、すばらしいものになる予感がします。お楽しみに。

「詩の通信IV」の発行が、本来なら昨日でしたが、遅れてしまっています。日常の仕事がなかなか片付かず、そこにチラシ作りなどが加わっているので、はかどりません。しかし、今夜中には何とかしようと思います。

2009年10月19日月曜日

「10へ」;4

トロッタのサイトを更新しました。
チラシのための原稿を整理し、デザイナーの小松史明さんに送り始めました。
今回は時間がないので、すでに、急いで急ぎすぎることはない情勢になっています。
前回は、座・高円寺などに置いた「トロッタ通信」が3号にしか届かず、5号まで行きましたトロッタ8に比べ、物足りないものでした。それが集客に影響したかどうかはわかりません。しかし、もっとできたのではないかという思いを抱かせたことは事実です。努力しましたとは、5号以上を出して初めていえる言葉でしょう。

トロッタ10、ご挨拶文

作ってあげましょう

あなたのために

人形を

作ってあげる

あなたに似せた

やせっぽちの

人形

(田中隆司・作曲 木部与巴仁・詩 『捨てたうた』より)


*ご挨拶

2009年最後のトロッタを、第10回公演として開催いたします。会場は、第8回公演と同じ、新宿ハーモニックホールです。10回だからといって特別視しませんが、節目だとは思います。これまでのトロッタのあり方を見直します。依然と変わらず映った場合も、見直しをした結果です。今回はバリトンに、オペラ等で活躍される根岸一郎さんをお迎えします。伊福部昭氏の『知床半島の漁夫の歌』と、今井重幸氏の『時は静かに過ぎる』を歌っていただきます。“詩と音楽を歌い、奏でる”トロッタの世界を、さらに深めてくれるでしょう。また、演劇の世界でも活躍されている田中隆司氏の『捨てたうた』を初演します。木部与巴仁の詩三篇が田中氏の視点で構成され、スケールのある音楽世界となりました。さらに、田中修一氏の歌曲『雨の午後/蜚』、橘川琢氏の詩歌曲『死の花』などの新曲をまじえてお届けいたします。確かな節目を刻みたい、トロッタ10に、皆様、ぜひお越しくださいませ。*黄金色の光が射す、10月の午後に 木部与巴仁


2009年10月17日土曜日

「10へ」;3 再開します/「めぐりあい〜陽だまり〜」

ここしばらく、「ボッサ 声と音の会」が忙しく、また、日常の仕事もたまっていたので、ブログを更新できませんでした。今日から、再び書き始めます。昨夜、書きましたアンコール曲、「めぐりあい〜陽だまり〜」の詩を掲載いたします。トロッタ10では、田中修一さんが編曲してくださいます。また、先日のボッサでご一緒できた、パーカッションの内藤修央(のぶお)さんが、トロッタ10では打楽器奏者として参加してくださいます。うれしいことです。これも、“めぐりあい”といえるでしょう。

めぐりあい~陽だまり~


木部与巴仁


冷たい朝に身を寄せ合い

陽だまりがそっと生まれてた


白い息を

吐きながら

たったひとりで

歩いてゆく


冷たい朝に身を寄せ合い

陽だまりがそっと生まれてた


ひびわれたアスファルトが

幸せそうに

微笑んでいる

嬉しくなった

冬の街角


どこへ行くの?

わからない でも

私は生きられる

ありがとう

あなたの歌を聴いたから


2009年10月8日木曜日

ボッサが終わりそうです

「扇田克也+木部与巴仁〈ユメノニワ〉」展が、後半に入り、終わりが見えてきました。毎日、詩を書いて、ボッサで発表しています。毎日書き続けることは、なかなか大変です。しかし、書ける場があることは幸せですので、力を尽くしています。クロージング演奏会として行う、「ボッサ 声と音の会vol.5」後半の準備も進めています。本来なら、トロッタ9の反省を、この場に書かなければと思いつつ、前に進んでしまっています。「詩の通信IV」も、遅れていましたが、何とか、二号分を書いて、あとは印刷し、発送すればいいところまでこぎつけました。

皆さま、トロッタのメンバーが、ボッサに出演しています。お時間がありましたら、お越しください。よろしくお願いします。

2009年10月6日火曜日

シャンソン組曲の選曲

昨日、10月5日(月)、ヴォーカルの笠原千恵美さんから連絡がありました。トロッタ10で歌いたい、今井重幸先生の、シャンソンを選曲したということです。ここではまた曲名をあげませんが、3曲を選んでくださいました。トロッタ9では、3曲とも歌ったのですが、全体の時間の関係があり、トロッタ10では2曲にする予定です。

ただいま、私は、谷中ボッサでの〈ユメノニワ〉展にかかりきりです。具体的には、詩作を続けています。「詩の通信IV」も、トロッタ、ボッサと続いているため、本来は2週間前に出すべきだった第4号を出せず、昨日、出すべきだった第5号と一緒にして、読者には送る予定です。日常の仕事も遅れぎみで、昨夜など、明後日の木曜日かと思っていた締切原稿が、実は今日であったことに気づき、慌てました。電車を反対方向に乗ってしまったのも昨日でした。客観的にならなければと思います。忙しさの中、自分を見失わないようにしなければいけません。

2009年10月4日日曜日

トロッタ・アンサンブルTOKIO出演

930日(水)、谷中ボッサにて、art-Link上野-谷中 参加企画「扇田克也+木部与巴仁〈ユメノニワ〉」展が始りました。1012日(月)まで、火曜の定休日を除いて開催されています。

初日の19時から、造形家の扇田克也さんを迎えてオープニング演奏会が行われました。出演は、トロッタ・アンサンブルTOKIO 2009。プログラムは以下のとおりです。


 組曲〈都市の肖像〉第二集「摩天楼組曲」補遺~『ガラスの国』扇田克也展 五つの物語~ 作曲・橘川琢 詩・木部与巴仁  ヴィオラ・仁科拓也

 作家と語る  扇田克也と木部与巴仁によるトーク

 扇田克也〈ユメノニワ〉とある詩篇・1 「ユメノニワ・427号室」詩と詩唱・木部与巴仁  パンデイロ・内藤修央

 組曲『ユメノニワ』作曲・橘川琢、清道洋一  フルート・田中千晴 ファゴット・平昌子 ヴィオラ・仁科拓也 打楽器ほか・森川あづさ


10月11日(日)18時には、クロージング演奏会が行われます。初日の曲に、さらに新作を2曲加え、より演奏会の色を濃くいたします。お誘い合わせの上、お越し下さい。狭い会場ですので、御予約をいただければ幸いです。

ところで、会期中、私は毎日通いまして、詩を更新いたします。会場に置いた7冊の冊子の最終ページに、その日の詩を印刷して張り合わせています。詩は、このブログの「関係者活動情報」にあります、扇田克也さんのリンク先をクリックしてください。

2009年10月1日木曜日

渋谷にて;8(トロッタ9本番)

エレクトーンシティには、9時半入りです。到着すると、すでに大谷歩さん、清道洋一さん、田中修一さん、仁科拓也さん、宮﨑文香さん、三河修三さんが来ていました。中川博正さんとは、来る途中で会いました。調律の方は、8時から来て作業をしています。トロッタのために、人が動いているわけです。

楽屋に荷物を運び込み、10時の音出しを待ちます。待つといっても、することはいろいろあります。何といっても、私は差し替え曲になった『宇の言葉〜七角星雲・光うた・火の山〜』を告知するため、原稿を作らなければなりません。また、アンケートも作る必要があります。寝てしまって作業をしなかったのですが、寝ることは必要なので、私はかまいません。その皺寄せが、後で押し寄せるわけです。しかし、自分の練習時間以外にすれば間に合うという計算が働いていることは事実です。


10時から10時30分 エレクトーンの音出しに続いて、橘川琢さんの『宇の言葉~七角星雲・光うた・火の山~』を合わせる時間です。エレクトーンの音が、なかなかうまく出ないように見えました。トロッタはまだ、エレクトーンを自分のものにできていないなと思いました。もちろん、大谷歩さんに不安はありません。かつて、私はビデオ作品を作っていました。ビデオは電気に左右されます。もし、停電になったら……。それは妙な仮定です。停電になったら、室内で行われる演奏会そのものが中止になるでしょう。ともかく、電気に左右される表現を、私はやめました。エレクトーンはまさしく、ビデオと似ています。しかし、今回のトロッタは、エレクトーンを使うことが大前提です。作曲者にとっても出演者にとっても、ひとつの挑戦となったのです。


『宇の言葉』は、昨夜、池袋駅でもらっただけの楽譜です。自分の詩ですが、間違えずに詠めるでしょうか。いえ、間違えてもいいから、心の詩唱になるでしょうか。考えまして、私が前に正座することにしました。ヴァイオリンの戸塚ふみ代さんには、私の真後ろに立って、演奏していただくことにしました。


10時30分から10時50分 戸塚さんと、バンドネオンの生水敬一朗さんによる『Venus』です。曲は、生水さんの先生、アレハンドロ・バルレッタ氏によるものです。本番一曲目のシャンソン組曲もそうですが、出演者が歌いたい曲、演奏したい曲に取り組んでいただきたいと思い、プログラムに加えたのです。


10時50分から11時30分 橘川琢さんの『花骸-はなむくろ-』です。花の上野雄次さんが、どんなことをするのか、この時点ではまだわかりません。また、私が出す山蛭の声が、客席にどんな効果となって聴こえるかもわかりません。聴こえているようではありますが。戸塚さんのヴァイオリン、田中千晴さんのフルート、中川さんの声、すべてを聴きながら、深い山の中の光景を作っていきます。


11時30分から11時50分 田中修一さんの『ムーヴメント』です。赤羽佐東子さんの生の声が、赤羽さんが無理をしなくとも、客席に届くかどうか。打楽器、ピアノ、エレクトーンが大音量で演奏されます。もともと響きのない会場です。人工リバーブ装置に頼るしかありません。私が赤羽さんの歌を初めて聴いたのは、このエレクトーンシティで行われた日本歌曲の会でした。ピアノの森川あづささんと打楽器の星華子さんは、高校時代の同級生です。私とシャンソンの笠原千恵美さんもそうですが。個人的には、そのような人と人の歴史が、私は好きです。


11時50時から12時20分 大谷歩さんの『アルバ』です。大谷さんは、この一週間、山口から出てきて、知らない人ばかりの中に混じり、よく努力されたと思います。私自身、電話やメールでやりとりしていましたが、面識はありません。大谷さんが山口から出てきた日に、初めて会いました。『アルバ』で私が詩に詠んだ海は、大谷さんが見ていた海です。つまり、同じ瀬戸内海です。互いの共通項が、音になるわけです。これは不満ではなく、当然、そうなっていいわけですが、詩は、ずいぶん短くなっています。どこをどう取って曲にするか。その作曲家の判断に、私は関心があります。


12時20分から13時00分 これも海にまつわる曲、清道洋一さんの『アルメイダ』です。この日のために、清道さんは小松史明さんと、一枚の絵を作りあげました。そこには私の原詩が載っています。演奏に使われるテキストは、戯曲のようなものと私には映る、清道さんの創作です。実はこの二つの詩の関係が、いまひとつ、わかっていません。わからないまま本番に臨むのは不誠実かもしれません。しかし、その不安感が、私の声を通して形作られる、一人の男の姿には、ふさわしい気もします。結局、この音楽劇のような『アルメイダ』は、何なのでしょうか? 清道さんの思いを、どこかで語っていただきたい気がします。加えて、赤羽佐東子さんが歌う、女王のアリアを、より大きくした形で、私の原詩の長さで、聴きたいと思っています。


13時00分から13時半 今井重幸先生の『青峰悠映』です。田中千晴さんのフルート、平昌子さんのファゴット、大谷歩さんのエレクトーンで演奏されます。サントリーホールの小ホールで聴かせていただいた曲を、トロッタで演奏させていただけます。ありがたいことです。また、田中さんと平さんは、大学のオーケストラで共演していましたが、外に出て共演するのは初めての機会だとか。いいことだと思います。練習を聴きながら、私は差し替え曲の告知とアンケートを作りました。


13時半から14時 やはり今井先生が曲を書き、橘川氏と清道氏が編曲をした、“シャンソン組曲”。邦題で、「今井重幸によるヌーベル・シャンソン 新しい歌の流れ」です。ここで問題が生じ、音が厚すぎるために歌がまったく聴こえない事態となりました。急遽、検討をしまして、マイクを使うことにしました。トロッタでは、本来、ありえないことです。これもまた、試行錯誤です。試行錯誤をお聴き、見せてしまうわけです。いいのでしょうか。いいわけはありません。全員の努力を、よりよい形にまとめてゆく力が、不足していました。


14時から『めぐりあい』を合わせました。大谷さんのエレクトーンと、弦楽カルテットのみの演奏で、他の人は歌います。アンコール曲である『めぐりあい』まで、無事に持っていけるかどうか。非常な不安を抱えたまま、開場の時間が迫ります。詩唱者として、個人的には不安はないのです。トロッタとしての不安です。さらに、こうして書いている今、すでに終わったことなのに、その綱渡りぶりが不安になってきました。よく、終えられたと思います。


14時半 開場です。さまざまな反省を生ぜしめたトロッタ9が、始ります。この後のことは、公開されたことであり、書きません。ほめていただいた点もありますが、批判された点も多く、お客様が大勢お越しにならなかったことが、すでにトロッタへの批判かもしれません。トロッタ10は、絶対に、9以上のお客様を集めること。曲の差し替えやマイクの使用などをせずに済むこと、その他、さまざまな課題をクリアいたします。そのために、すでに動き出しています。