2009年5月26日火曜日

「本番までの通信」第5号

本番までの通信;5(5.25)

へびじゃ へびじゃというて 
嫌うでない 
へびであろうと 生き物じゃ 
おぬしらと同じに 眼もあれば口もある 
耳も鼻もあるのじゃわい 

聞くがええ 能登の国にはの 
吹上げの瀧いうて 
海に落ちる水が ごおごおと渦を巻き 
逆あがりしてゆく瀧があるのじゃ 
それはそれは すさまじい 
わしは その瀧をな のぼったことがある 
ついこの間 おしめが取れたばかりのような 
にきび面した ひとの餓鬼めに 
ふみつぶされるいわれはないわい 
あわれや わしの身は 
七つに折れて八つに曲がり 
朽ち果ててしもうたわやい 

清道洋一・作曲 木部与巴仁・詩 
「蛇」より


 いよいよ、本番前最後の週となりました。「本番までの通信」も、この第5号をもって最終回となります。
 毎日毎日、何かをしないということがありません。してもしても、追いつかない気持ちです。例えば、昨夜から今日の昼にかけて、当日プログラムを作っていました。前回までなら、これでいいとしたところも、よりよいものをと思いますから、手を加えていくことになります。その分、時間がかかるわけです。しかし、プログラム作りは本番前日の作業が当たり前で、第5回では本番の朝に作っていたことを思えば、5日前に作業しているのですから、進歩しています。
 少しでも練習したいと思います。しかし、プログラムを作ったり、練習場所を探したり、人と人の時間調整をしたり。そういうことの積み重ねでしか本番の舞台は作れないと言い聞かせ、そうした作業に励んでいます。もちろん、本音は、皆さんと一緒に練習をしたいということです。どう言い募っても、音楽は音を出さなければ始りません。どれだけすばらしいプログラムを作っても、それですばらしい音楽が聴こえてくるかというと、そうではないのですから。ただ、雑なプログラムでは厭だというのは本音です。
 明日5月26日(火)は、東京音楽大学に近い、雑司が谷地域文化創造館で、17時半から21時半まで練習します。ここは28日(木)の練習場所でもあるのですが、急に場所を探さなければならなくなり、明日はホールを使うことになりました。より安い音楽室でいいのに。音楽室が空いていなかったので仕方ないのですが、経費のことを考えると、ぞっとします。しかし、制作とは、ぞっとすることの積み重ねではないでしょうか。これまでで一番ぞっとしたのは、二台ピアノを使った練習でした。当初の予定時間では不充分だったので延長することになりました。ピアノ代が二倍かかりますから、これでまた…万円、と思い、血の気が引きました。が、その時は、それをせずにいられなかったのです。
 明日の場合は、高くても場所があるだけいいと思います。しかもホールで練習するのですから、本番を想定できていいのではないでしょうか。個人的には、そうした広い場所で練習したいのです。
 今回は、本番に至るまでの実情、といったものを書きました。今の心境は、抽象論にありません。具体的な手応えこそが、私を納得させます。
 5月31日(日)、少しでも多くの方がお越しくださいますことを祈っています。よろしくお願いします。

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