2009年8月31日月曜日

「詩の通信IV」の発行日です

昨夜、「詩の通信IV」に関する原稿をアップしようと思い、原稿を書きかけのままにしてしまいました。改めて書きます。

「詩の通信III」は、最終号に77名の読者がおられました。「詩の通信IV」第1号は10名、2号は11名、そして3号は12名です。ずいぶんと少なくなりましたが、この方たちは、読みたいと申し出てくださった方ばかりなので、12名もの方にそういわれているとは、嬉しいとともに、ありがたい気持ちです。

「詩の通信」は、詩をお届けするとともに、トロッタなど、活動のお知らせを、後書きでしています。貴重な、宣伝の媒体です。昨日は、トロッタやボッサのチラシなどを、おおぜいの方に送らせていただきました。発送の第二段階でした。郵送するだけでも、私は表現だと思っています。トロッタの最終舞台は、郵送の先にあるわけですが、「詩の通信」は、今の私にとって、なくてはならない表現です。御希望の方がおられましたら、お申し込みください。よろしくお願いします。

2009年8月29日土曜日

「未来の古典 同時代の邦楽」と上野雄次さん「はないけ教室」

今日は、山梨県甲府市の桜座にて、清道洋一さん「“La saku a rukasu”箏を伴うパフォーマーによる」と、山本和智さん「3棹の三絃のための“Shami”」を含む演奏会、「未来の古典 同時代の邦楽」が行われます。31日(月)には、横浜市の赤レンガ倉庫一号館3Fホールでも開催され、さらに9月に入っては、萩でも行われるそうです。トロッタ9のチラシ、ボッサ5のチラシを配ります。皆さんのさまざまな活躍に触れるのはうれしいことです。私は31日(月)、横浜にうかがう予定です。

今日は上野雄次さんの「はないけ教室」が、千駄ケ谷で行われました。まだ始っていない時間にお邪魔し、チラシをお渡しするなどしてきました。以下のような内容でし。[はないけ教室]開校]のお知らせです。

*上野さんからのメール
少しご興味ある方や遊びに行ってみようかなという方もお気軽に見学にいらして下さい。
一度、体験してみたい。という方もお気軽にどうぞ。
お知り合いの方で、はないけに興味がある方がいらしたらお知らせ頂ければ幸いです。

■日程
2009年8月29日(土)

■開催時間
 第1回:15:00から17:00
 第2回:18:00から20:00
各回:5名程度)

■料金
8月は開校記念ということで、特別価格にて開催します。
各回とも3000円(花代込み)
一回限りの体験教室も3000円(花代込み)で募集してます。

*月謝制ではありません

■会場
神宮前にあります
メコノプシス」
http://www.o-meconopsis.com/
アクセスは上記サイトを参照)

■持ち物などについて
●花は1本づつ、約20種類の中から自由に選んで頂くか、または、お好きな花を持って来て頂いても結構です。
●器は教室にある物の中から選ぶか、または生けたい器を持って来て下っても結構です。
●はさみの用意はありますが、どうぞご持参ください。
●時間内でしたら何杯でも生けて下さい
(各クラス1〜2回、上野が「はないけ」致します)

2009年8月28日金曜日

「本番までの通信.2」をアップしました

サイトに、「本番までの通信」第2号をアップしました。1回は7月18日のアップだったので、約40日ぶりのアップです。これではいけません。反省しています。
申し上げましたとおり、昨日の文章を書き改めて、「本番までの通信.2」にしました。以下の文章は、昨日分の、冒頭の詩と初めの段落の次に続くものとお思いください。スムースに読めるのは、サイトです。しかし、昨日の文章の続きと思っていただいてもけっこうです。
この「本番までの通信.2」をコピーしまして、皆様にお配りします。

*「本番までの通信.2」続き

 他愛もないことですが、以前、今回のトロッタ9は海の印象が強いと書きました。その文章を、8月初旬にしたためたせいであったでしょう。大谷歩さん作曲の『アルバ/理想の海』や、清道洋一さん作曲の『アルメイダ』といった、海に関わる曲が並んだせいもあったでしょう。夏と海にちなむ曲を、昨年の段階では演奏するプランであったことも、関係しているかもしれません。しかし、本番は9月27日(日)であり、季節は秋です。私にとって、海といえば夏ですが、この思いこみは、通じません。秋の海もあります。冬の海もあります。海を前に、解釈と表現を広げなければならない、柔軟にならなければと痛感します。 冒頭に掲げました詩は、『アルメイダ』の一篇、「千尋」です。清道洋一さんから、詩を書いて欲しい、と依頼された時、テーマは“架空のコマーシャル”でした。街や家庭で見聞きする、さまざまなコマーシャルがあります。そのための詩を創れないかと求められたのでした。考えましたが、難しく、コマーシャルとは世界を伝えることだと拡大解釈し、架空の国を作って、そこにまつわる様々な詩を書こうと思いました。国の名は、アルメイダ。海に浮かぶ海国として知られている、という設定です。-具体的にいえば、コマーシャルだと、コミック・ソングのようなものも書かなければ面白くなく、それは私には難しいという判断がありました-
 古謡としての「千尋」を始め、国歌「碧(あお)き国」、フォークソング「鳥」、歴史を題材にした歌「微笑みこそ」、現代詩にもとづく歌「ひとで」「わだつみ」「夜の海」、アルメイダを舞台にした歌劇『アルメイダ』より「王妃の詠唱」を書き、これらを散文詩「亡命詩人」で結びつけました。
 しかし、原作どおりに楽曲化しますと、一時間ではとうていおさまらない規模になります。トロッタで一曲に長時間を使うわけにはいかないという理由と、詩に引きずられない、清道さん自身の音楽にするためでしょう、彼は大胆な改変作業を行いました。トロッタ9で演奏される『アルメイダ』は、原作の何分の一かです。さらに、清道さんの創作によるせりふなどが、大幅に取り入れられます。私と清道さんの世界というより、清道さん単独の世界といった方がいいでしょう。どの作曲家との作業も、私はそれでいいと思っています。*ちなみに、トロッタ9が終わった直後、9月30日(水)から10月12日(月・祝)まで、東京・谷中のカフェ、谷中ボッサにて、造形と詩の共同展「扇田克也+木部与巴仁〈ユメノニワ〉」が行われ、初日と10月11日(日)、「ボッサ 声と音の会vol.5 音の形、詩の形、夢の形」が行われます。その二日目に、清道氏は『即興的断章-アルメイダより』を発表します。トロッタ9とは違う『アルメイダ』が聴けるでしょう。
 詩と音楽が融け合い、詩人の思いもよらない音楽が生まれようとしています。お楽しみに。
 御予約、お問い合わせをお待ち申しあげます。  〈木部与巴仁〉

2009年8月27日木曜日

トロッタ9、1か月前です

〈トロッタ通信9-vol.2〉

ちひろのそこにあるといふ
あおきみやこへたびをせむ
ちひろのはてにきえてゆく
ゆめのみやこでゑひたしと
うみのそこにもゆきはふる
うみのそこにもつきはてる
うみのそこにもはなはさき
うみのそこにもとりはとぶ
いくせんねんがすぎてゆく
ただ またたきのまに

清道洋一・作曲 木部与巴仁・詩
『アルメイダ』より「千尋」

 第9回「トロッタの会」まで、残り1か月となりました。エレクトーンシティ渋谷でトロッタを行うプランは、すでに昨年の夏に生じていました。1年がかりの実現になります。長い準備期間でしたが、あと1か月です。
 これから毎日、本番当日まで、ブログを欠かさないように書きます。一種の願掛けです。神頼みではなく、自分に頼もうとしています。

 今日は、橘川琢氏、清道洋一氏とともに、エレクトーンシティ渋谷を訪れました。1か月前を期して、これも一種の願掛け、自分頼みかもしれませんが、谷中ボッサで行われる「扇田克也+木部与巴仁〈ユメノニワ〉」のチラシが刷り上がりましたので、それを両氏に手渡す必要もあったのです。トロッタと直接の関係はありませんが、作曲者、演奏者とも重なっていますし、この情報も、逐次お伝えしていきます。

 今後1か月の練習予定を作っていました。実際には、本番一週間前に集中して練習する予定です。エレクトーン奏者で作曲家の大谷歩さんが、山口市から一週間前に上京し、東京に滞在してくださる予定ですので。しかし、橘川琢さん作曲の『花骸-はなむくろ-』など、エレクトーンが入らない曲もありますから、できるだけ機会を見つけて、練習を進めてまいります。
 練習以外にも、一刻一刻が、本番に向けての過程です。皆様の期待に背かぬ舞台を作っていく所存です。

なお、先に報告させていただきました、トロッタ9チラシ裏面の誤記は、訂正の上、「トロッタの会」のサイトにアップいたしました。関係の皆様には御迷惑をおかけしました。お詫びします。
*本稿は、〈トロッタ通信9-vol.2〉として、より長い文章にする予定です。

2009年8月24日月曜日

チラシの裏面訂正です

トロッタ9のチラシ裏面に訂正があります。「アルメイダ」の作曲者を、橘川琢さんと書いてしまいました。正しくは清道洋一さんです。関係者にお詫び申し上げます。印刷したものは直せませんが、WEB上で公開している画像は、近日中に訂正します。

2009年8月22日土曜日

チラシを配布しました

トロッタ9のチラシは、関係者全員に配布しました。後は、宣伝をお願いします。
私自身を含めてですが、いかに効率よく配るかが問題です。しかし、必ず無駄も発生しますから、それを怖れない気持ちも必要です。何枚か配って、そのうちの何人しか会場に足を運んでくれません。その何枚かが、何千枚かでも、怖れずに配ること。来てくれなくても、トロッタという会があるのだと気にとめてもらうことが大事です。すると、いつかお客さんになっていただけるかもしれません。また、こんな内容の曲、こんな作曲家や演奏家がいるという宣伝をするだけでもいいのです。そのために、トロッタのチラシは、文章の量を多くしています。日付と曲名、作曲家、演奏家の名前が書かれているだけのチラシでは、本当にその場限りに終わってしまうと、私は思っています。

昨日は、「ボッサ 声と音の会vol.5」のチラシを、印刷所に入稿しました。1,000枚注文しました。多いかも知れませんが、印刷単位が500枚の次は1,000枚になるので、致し方ありません。ボッサは、会場の都合で、定員が30人です。しかし、昨年は満員にできませんでした。少しでも宣伝に力を入れたいと思います。

2009年8月20日木曜日

チラシが届きました

昨日の午前中、トロッタ9のチラシ3000枚が届きました。手渡しできる方にはすでに渡し始めました。また、エレクトーンシティ渋谷にも1000枚を届けまして、渋谷、銀座、池袋、横浜のヤマハ各店に置いていただき、コンサート案内には同封していただいて、不特定多数の方々のお目にとまることになっています。
関係の方々には、すぐお送りしたいところですが、人手不足で、なかなか思うにまかせません。せっかく早くできたのに、ということがないようにしたいと思います。
もし、このブログを御覧の方で、チラシを御希望の方は、チラシにも記しました、以下のメールアドレスまで、御連絡ください。御住所をいただければ、郵送させていただきます。

yohani@mac.com


チラシ表面の画像を掲げておきます。トロッタのサイトで、両面をご覧ください。


2009年8月17日月曜日

打ち合わせのことなど

書くのが遅れていましたが、8月13日(木)、神田でトロッタ9の練習と打ち合わせをしました。
まず、詩唱の中川博正さんと、声の合わせ。『花骸-はなむくろ-』のためです。私たちの声をもとにして、橘川琢さんが作曲します。
この日は、今年の夏としては珍しいくらいに暑く、その前に仕事の打ち合わせがあったのですが、下車駅を間違えて、駅ふたつ分を歩く羽目になりました。汗をかき、とても疲れました。夏は大好きですが、いきなりの暑さには参ります。

中川さんとの合わせをした、反省点。私は、たっぷり詠みたいと思います。それに対して中川さんは、淡々と詠みたいといいます。その対比はおもしろいと思います。問題は私で、言葉ではない音を発するのですが、現実音の真似になり過ぎました。その録音は橘川氏に渡してありますが、戦の場面だからといってほら貝というのは、あまりに想像力がなさ過ぎます。まだ、落ち武者の、せっぱつまった息づかいだけの方がいいでしょう。そのようなことが他にもあると思いますので、再確認します。

その後は、橘川琢氏、清道洋一氏、名古屋でお世話になった撮影の古川久記氏を加えて、ミーティングです。トロッタ9についてはもちろんですが、橘川、清道の両氏とは、カフェ 谷中ボッサでの「ボッサ 声と音の会」もあるので、その細部を検討しなければいけません。結局、ボッサのプログラムは、以下のようになりました。

【9月30日(水)19時開演 18時30分開場】

1)組曲〈都市の肖像〉第2集「摩天楼組曲」補遺

~『ガラスの国』扇田克也展 五つの物語~

作曲 橘川琢 詩・木部与巴仁 ヴィオラ&詩唱

2)詩唱 扇田克也〈ユメノニワ〉とともにある詩篇・1 詩・木部与巴仁

3)作家と語る 扇田克也&木部与巴仁

4)組曲『ユメノニワ』

作曲・橘川琢 清道洋一 トロッタ・アンサンブルTOKIO 2009


【10月11日(日)18時開演 17時30分開場】

1)組曲『ユメノニワ

作曲・橘川琢 清道洋一 トロッタ・アンサンブルTOKIO 2009

2)詩唱 扇田克也〈ユメノニワ〉とともにある詩篇・2 詩・木部与巴仁

3)『ガラスの国・第二章』扇田克也〈ユメノニワ〉による五つの物語

作曲・橘川琢、詩 木部与巴仁 トロッタ・アンサンブルTOKIO 2009

4)『即興的断章-アルメイダより』

作曲・清道洋一 詩・木部与巴仁 トロッタ・アンサンブルTOKIO 2009


作曲 橘川琢 清道洋一

出演 トロッタ・アンサンブルTOKIO 2009

ヴィオラ 仁科拓也

フルート 田中千晴

ファゴット 平昌子

打楽器ほか 森川あづさ

詩唱 木部与巴仁


その後、8月15日(土)には、チラシよりもひと足早く、トロッタ9のチケットが届きました。間もなくチラシも着くでしょう。物事が錯綜してしまいがちですが、整理しながら進めていきたいと思います。




2009年8月13日木曜日

谷中ボッサのチラシを作成中

カフェ、谷中ボッサにて開催します「扇田克也+木部与巴仁〈ユメノニワ〉」は、「art-Link 上野-谷中2009」参加企画です。企画書には、“造形と詩・音楽”と副題しました。扇田克也さんが、新シリーズ「ユメノニワ」を展示し、私は詩を掲示していきます。掲示の方法は未定です。期間は9月30日(水)から、10月12日(月)です。初日と、最終日前日の10月11日(日)に、演奏会「ボッサ 声と音の会vol.5」を開催します。

昨年の3月、茅場町の森岡書店で行いました「扇田克也+木部与巴仁 光のある部屋」の、実質は続編、ということになるでしょうか。その際も、オープニングとクロージングにイベントを行い、扇田さんとの対話を含む、演奏会を開きました。やはり昨年の11月、日本橋のギャラリーこちゅうきょで、扇田さんの個展「beyond expression」が開かれましたが、その際はオープニング・イベントに出演。演奏を行いました。

昨夜、遅くなってから、〈ユメノニワ〉関係の作業を行いました。チラシ作りと、橘川琢さんの新曲のための詩、『ガラスの国・第二章』を書きました。詩はほぼ完成しました。チラシは未完ですが、面面のデザインはほぼできました。本日、橘川さん、清道洋一さん、詩唱の中川博正さんを含むミーティングがありますので、その場で、内容を最終決定します。トロッタ9が9月27日(日)。ボッサの初日が9月30日(水)ですから、準備を同時に進行しなければ間に合いません。art-Link 上野-谷中2009」事務局から、マップのための文字校正の依頼があり、さっそくチェックして戻しました。サイトを御覧いただければ、イベントの概要がわかります。トロッタのチラシは、すでに入稿しました。ボッサのチラシも、間もなく入稿します。

「ボッサ 声と音の会vol.5」の関係者は、以下の方々です。扇田克也さんも、初日のトークに出演されます。

作曲
橘川琢、清道洋一

演奏
ヴィオラ 仁科拓也
フルート 田中千晴
ファゴット 平昌子
打楽器 森川あづさ
詩唱 木部与巴仁

2009年8月12日水曜日

「めぐりあい」秋篇を書きました

すべてのプログラムの終わりに、お客様と歌っています、宮﨑文香さん作曲の『めぐりあい』。トロッタ9は9月の開催なので、今度の『めぐりあい』は「秋」。編曲は、エレクトーンシティにふさわしく、エレクトーン奏者の大谷歩さんが行います。その詩を、やっと書きました。音が決まっているので、言葉を当てはめていくことになります。それぞれの季節にふさわしい言葉を。これがたいへん困難です。自由に書きたいのですが、そうもいきません。早く大谷さんに渡したいと思い、気にかかっていました。すぐにできなかったのですが、11日、半日をかけて、やっと書き上げました。訂正があるかもしれませんが、以下のような詩です。いつか、四季がすべて揃ったら、独唱歌曲として、発表したいと思っています。

めぐりあい・秋


ながい雲が秋を描くころ

わたしたちはめぐりあう


海が見える

遠い海原

潮騒の歌に

耳を澄ませて


ながい雲が秋を描くころ

わたしたちはめぐりあう


赤く燃える水平線に

とまらなかった

私の涙

しずくになって

波間に溶けた


どこへ行くの?

わからない でも

わたしは生きられる

ありがとう

あなたの歌を聴いたから


2009年8月10日月曜日

サイトを更新しました

本日、トロッタ9本チラシの入稿を終えました。来週初めには、完成したチラシとチケットが届きます。これに歩を合わせまして、サイト「トロッタの会」を更新しました。大幅な更新ではありませんが、タイトルを、仮チラシのデザインを応用したものから、本チラシのデザインに基づくように変えました。仮チラシもよかったのですが、よりスケール感が増していると思います。

本日、上野雄次さんが、陶芸家の喜多村光史さんと開催されている「器と花」展を観に、元麻布のギャラリー、さる山に足を運びました。上野さんも在廊しておられ、お話ができました。上野さんがトロッタに参加されるのは、2009年中は、次回のみとなります。トロッタ10はお休みされますので、エレクトーンシティ渋谷で、上野さんの花生けをぜひ堪能してください。もちろん、トロッタ11以降は、また御一緒しますので、御期待ください。

トロッタ9の本チラシ、デザイン終了

小松史明さんによる、トロッタ9の本チラシが完成しました。後は印刷所に入れるだけです。チラシの両面は、サイト「トロッタの会」で御覧になれます。昨日、横浜美術館レクチャーホールにて、赤羽佐東子さん御出演の「エクレアーズ・サマー・コンサート」が開催されまして、印刷はまだなので、コピーを配ってきました。

赤羽さんたちのコンサートは、200席の会場がほぼ満席となる盛況でした。ヴェルディの「リゴレット」やベッリーニの「カプレーティ家とモンテッキ家」など、オペラの曲を前半に。後半はイングランドやアイルランドの民謡、日本歌曲、映画「サウンド・オブ・ミュージック」の曲などが取り上げられました。ハリウッド映画の常で、アメリカに寄った視点や、史実との違いはあるでしょうが、「サウンド・オブ・ミュージック」は、よくできた歌物語だと思っています。子供のころに映画を観まして、クリストファー・プラマー演じるトラップ大佐は、私のヒーローの一人となりました。また「ラ・マンチャの男」と並び、物語を創る上で、私にとってのお手本でもあります。いずれは、あのような作品を書きたいと思っています。

2009年8月7日金曜日

演奏会「横浜から世界へ 神奈川ゆかりの作曲家」

「未来の古典・同時代の邦楽」横浜公演と同じ日の早い時間帯に、以下の演奏会が、同じ会場で行われます。このうち須賀田礒太郎の曲は、昨年の「名フィルの日」で演奏され、私が解説の役をおおせつかり、舞台で話しをさせていただきました。関係者活動情報で、チラシが見られます。


「横浜から世界へ 神奈川ゆかりの作曲家」

ラジオ体操は神奈川の作曲家が作曲した!
知っているようで知らない名曲。
山田耕筰、團伊玖磨、黛敏郎など。

ラジオ体操第2は横須賀在住であった團伊玖磨の作曲です。その師であった橋本國彦(鎌倉で没)は幻のラジオ体操第3を作っています。山田耕筰(一時期茅ヶ崎在)は約百年前に作ったとは思えないピアノ五重奏。須賀田礒太郎は神奈川の音楽遺産として2002年から3回も神奈川フィルで演奏がありました。横浜出身の黛敏郎は17歳頃のジャズ的な曲。眞鍋理一郎は小田原在住で大島渚の映画などで知られる。演奏は20代だが日本と海外で学んだ注目の奏者による。

第一部
須賀田礒太郎 ヴァイオリンとピアノの「東洋の舞姫」(1941/岡崎隆編曲版)
須賀田礒太郎 ヴァイオリンとピアノの「ソナタロマンティーク」
團伊玖磨:ヴァイオリンとチェロのための「対話」(1998)
眞鍋理一郎 ヴィオラとピアノのための長安早春賦(1988)
---休憩---
山田耕筰 ピアノソロ スクリャービンに捧ぐる曲(1917)より夜の詩曲
團伊玖磨 ピアノソロ ラジオ体操第二
橋本國彦 ピアノソロ ラジオ体操第三
黛敏郎 ピアノソロ Hors-d´oeuvre(1947)
團伊玖磨 ソロヴァイオリンと弦楽四重奏の黒と黄(2001/遺作)
山田耕筰 ピアノ五重奏曲 ハ長調 「婚姻の響き」(1913)

演奏会「未来の古典・同時代の邦楽」

清道洋一さんの『La saku a rukas』、山本和智さんの『3棹の三絃のための“Shami』が演奏される「未来の古典・同時代の邦楽」が、甲府の桜座で8月29日(土)、横浜の横浜赤レンガ倉庫で8月31日(月)、開催されます。関係者活動情報で、チラシの表面を御覧いただけます。


未来の古典・同時代の邦楽

8月29日(土)開場18:30/開演19:00
桜座
山梨県甲府市中央1-1-7 tel: 055-233-2031
前売り2000 当日2500
問い合わせ:ha2wa8ni8@yahoo.co.jp

8月31日(月)開場18:45/開演19:00
横浜赤レンガ倉庫 3F ホール
大人1500 学生1000 小学生以下無料
問い合わせ:ha2wa8ni8@yahoo.co.jp
 
◇曲目 ◇
清水一徹:ヴィシオ/生ける光の影 
木山光:スケープゴート2009 
武田モトキ:fu"r Schlaflose Na"chte  
野田憲太郎:Somni'loquy 
三留丈樹:F.Libra Etude
清道洋一:”La saku a rukas” 
山本和智:3棹の三絃のための”Shami”

チラシを作成中です

仮チラシに続いて、本チラシの作成が佳境に入っています。いつもどおりのA3 判両面で、ひときわ華麗な印象のものになりそうです。しかし、こうした作業の常ですが、あいかわらず、ミスが散見されます。どうして気づかないのかなと思います。

昨日、メゾソプラノMさんのリサイタルのチラシを印刷所に入稿しました。私はデザイナーではありませんが、人と人の関係で、私がチラシを作ることになったのです。トロッタのように情報量は多くありません。それでも、表面の絵を作り、文字を間違いなく入れて行かなければならないので、気が抜けません。橘川琢さんの「花の嵐」のチラシ作りも、たいへんでした。Mさんのリサイタルは、ここに匿名で書くようなことではなく、関係した者として、むしろ積極的に告知すべきと思います。近くなりましたら、御案内いたします。

「詩の通信IV」第1号を発送しました

「詩の通信」は、私、木部与巴仁にとって、大切な表現です。新作詩をお届けすることはもちろん、その時々の、催しの告知などをしてきました。創刊は2005年11月11日。1年間を1期として、隔週刊で発行しています。『新宿に安土城が建つ』や『サイレンシティ』の告知、「トロッタ」発会の案内なども、ここでしてきました。

今週から、第4期に入りました。一年間、「詩の通信IV」を発行します。お恥ずかしいのは、8月3日(月)発行予定だったのですが、詩ができず、6日(木)の発行になったことです。第3期の発行部数は77だったのですが、10に減りました。「III」から「IV」に移行するにあたり、私が送りたいから送る、から、読みたい読者に送る体勢に変えたのです。

この方法は、傲慢かもしれません。できれば、全員に、さらに77人以上の方に送りたいのです。しかし、読みたくないものが送られてくる状態は、避けようと思いました。どのくらいの方が、私の詩を読みたいと思ってくださっているか、知りたい思いもありました。10という数は、妥当かもしれません。10人だと、すぐお名前をいえますので、それでいいともいえます。

ただし、今期から、手渡しを積極的に行います。A5判ですからいささか大きいのですが、名刺代わりにさせていただこうと思います。8月6日(木)は、阿佐ケ谷の町で偶然に会った、映画音楽研究のNさん。チラシを作らせていただいた、メゾソプラノのMさんにお渡ししました。当面は、トロッタ9の宣伝に使います。皆様、お目にかかりましたら、「詩の通信IV」をお渡しいたします。

2009年8月4日火曜日

「花の記憶」名古屋公演が終了しました



*写真は、二階席から見た、しらかわホール。舞台は、「花の記憶」の並びになっています。最前列中央に、上野雄次氏による、花生け用の台が置かれます。(提供;橘川琢)

名古屋・しらかわホールでの『花の記憶』公演が、無事に終了しました。昨夜、午前零時前に帰宅しました。
おかげさまで、満員のお客様に、最上の演奏をお聴かせできたと思います。上野雄次さんの花生けはみごとでした。この舞台では、これまでになく、上野さんの存在を感じながら詩唱することができました。
橘川琢さんの編曲はみごとでした。実は先ほど、阿佐ケ谷駅にて、橘川さんから、録音CDを受け取ったところです。聴かせてもらいましたが、出演者9人の合奏になってゆくクライマックスは、鳥肌が立ちました。明確な音にはなっていませんが、上野さんが鉛の壺を割って、真っ赤な花を散らすのです。

お客様には、うぬぼれを承知でいわせていただけば、得難い体験になったのではないでしょうか。
私にとっても、得難い体験でした。
実は最後の箇所で、声が裏返ってしまいました。橘川さんには、それがかえって本気に聴こえたといっていただきまして、もちろん本気には違いないのですが、いささか生(なま)です。少なくとも、私の意図したことではありません。おまけに、裏返った瞬間、両腋の下の筋肉を痛めました。力が入りすぎたのです。お恥ずかしいことです。
名古屋まで来ていただいた、音楽評論の西耕一さんには、力強さとか迫力だけではない、やわらかな声が聴けてよかったといっていただきました。個人的に、強さや他を圧倒する力、自分のからだが痛むような力は、もう必要ありません。音楽の神さまが、私に配慮して、次の課題を与えてくださったのだと思います。

トロッタ9に向けて、精進していきたいと思います。いささか長くなりますが、詩「花の記憶」を掲げます。


花の記憶


木部与巴仁



花となり生きる

人となり生きる

思いを託す

色と形

立つ そこに居る

花の姿

止まったまま

時間は水に浮かぶ

命も映えて

心に落ちる静かさ


咲けよ

音は無く

花となり生きる

人となり生きる

暗闇で 花は

変わらずにある



すべてがあればいい

そう思い 花に向かう

人生の一切

世の一切が 器にあれ

思いは春にたかぶる

ところが 花は

そんな気負いなど知らぬ気に

自然なのだ

支えるものもなく

すっくと立つ

空気の隙間に

危うさと心地よさの

得もいわれぬバランス


面影が心に沁みる


生まれながらに持った

色と形

哀しみなど無縁

花は何も語らない

怖いほどの潔さ

その花に向けて

話しかけたい私がいた



器の陰に

花を見る

じっとしている


氷雨が落ちた夜

伝え聞く

人の死

普段と変わらず

朝には新聞を開いた人が

昼にはこと切れた

ひとりの部屋で

ひとりのまま

好いた人があり

嫌った人があり

その一生を映していた

花の面


誰もいない

雨に濡れる公園

足跡だけを残して

あの人も あの人も

あの人も

死んでゆく


そんなつもりではないのに

心に残った

花の赤を

手向けようとしている



*出番直前に待機する、アーティストラウンジです。左手奥に楽器置き場が見えます。上野雄次さんが、鉛の壺を作成中。この中に、真っ赤な花びらが詰めこまれます。上野さんの背後は、チェロの新井康之さん。(提供;橘川琢)