既に発行が一週間以上遅れている「詩の通信VI」の第13号を作成する。本来は1月23日(月)に出さなければいけなかったのだ。今号には、橘川琢氏との共同創作“四季の詩”シリーズのために書いた『秋の一族』を載せようと思う。しかし長いので、通常とレイアウトが異なる。表面下段に空白が生じるので、そこを埋めようと、“四季の詩”シリーズで唯一、形にもなっていない“春”篇を書き下ろして載せたいと思う。“春”篇を書こうとしたことには理由がある。
日本音楽舞踊会議の3月12日(月)演奏会で、橘川琢氏の『春告花(はるつげばな)』を詠む。その“春”という言葉に刺激された。演奏済みの『冬の鳥』『夏の國』、曲は未完だが詩はできている『秋の一族』に続く作品を書かなければと思い続けた。『秋の一族』は作曲されていないのだから焦る必要はないのだが、残りひとつだと思うと、どうなるのか知りたい思いが募った。
そこで午後から夜にかけ、“春”の文字を入れた新作詩『春の落鳥(らくちょう)』を書く。ところが、ある程度できたところで気づいたのだが、『冬の鳥』と重なる。四篇しかないのに、冬にも春にも鳥が出てくるのはおかしい。四季全篇に鳥が出てくればいいのだが、そうではない。詩はできて橘川氏に送ったが、これは独立した詩として扱う。“四季の詩”の“春”は、別に書くことにする。既に完成したから形は違っているが、最も初期に抱いた「春の落鳥」書き出しの部分。
「落ちたくないから/鳥は飛ぶ/青い/春の空を切る/影/矢になって/飛んでいった」
「秋元松代全作品集」全3巻が届く。いきなり月報が全巻欠けているショック。その分、安いということだろうが注意書きはなかった。抗議すべきか。月報は資料に過ぎないが、それも含めて編集されているのだから、そこに編集意図があると見るべきで、月報がないのは欠陥品である。抗議すべきか。おそらく、私はしないだろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿