2012年2月11日土曜日

トロッタ15全詩解説『美粒子』(作曲/酒井健吉).1

酒井健吉の『美粒子』は、同名の詩による詩唱曲である。
編成は、詩唱、オーボエ、ヴァイオリン(2)、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、ピアノ。
曲は新しいが、詩は2006年の作品だ。トロッタがスタートする前年のもので、写真家・木村恵多、美術家・小松史明との共同作業として書いた。
木村は、小石川図書館ホールにて『新宿に安土城が建つ』を共同製作した仲間である。当時の彼は映像集団ゴールデンシットに属しており、『新宿に安土城が建つ』には、映像の立場からの参加であった。それを終えて、新たな共同作業ができないかと考えた。『安土城』は、まず私の詩があって、それをもとに創った舞台である。次は、他のジャンルの作品を先行させ、後から詩を書こうということになった。そこで木村の写真が候補になり、詩『美粒子』を書いたのである。写真と詩を小松史明に託し、小松はA3判両面にデザインしてくれた。小松史明が、その後、トロッタのチラシを作り続けてくれていることはいうまでもない。
詩に添えた解説に、当時の経緯が書かれている。掲げた画像をお読みいただきたい。
繰り返すが、これは私ではない他の個性による視覚表現に反応して書いた、理屈のない詩である。その意味で、言葉として純粋といえるかもしれない。


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