2010年10月17日日曜日

「トロッタ12通信」.11 (*10.16分)

*今井重幸先生作曲『シギリヤ・ヒターナ』の合わせを、荻窪のスタジオ・クレモニアで行いました。また、夜に行きました知人の公演会場が、たいへんに興味深い場所だったので、いずれ何かの会で使ってみたいと思いました。場所は駒込です。一昨年、「詩の通信III」で、一年かけて舞台にしました町です。ピアノを置いてある場所が上で、舞台が階段下となり、場所が離れる課題がありますが、それも場所の個性だと思えば、使い方によってはおもしろいかもしれません。

 北海道の作曲家、堀井友徳さんから、トロッタに参加してみたいというご希望をいただきました。音楽評論の西耕一さんを通してです。トロッタで曲を発表したいというニュアンスだったか、参加したいというニュアンスだったかは、もうはっきりしません。どちらも同じことだと受け止めます。
 堀井さんは、東京音楽大学において、伊福部昭先生に師事されました。学生だったころから存じあげています。札幌で伊福部先生の演奏会があった時、ご両親と一緒に会場に来られていたことを覚えています。ギターの会で一度、箏の会で一度、堀井さんの曲を聴かせていただきました。大学を卒業してからは、しばらく東京で活動しておられましたが、その後、北海道にお帰りになり、今回も、北海道からの参加ということになりました。
 北海道から東京へ、東京から北海道へという堀井さんの歩みには、さまざまなドラマがあったと思います。“めぐりあい”があり、“たびだち”があったでしょう。私と堀井さんの間にも、“めぐりあい”と“たびだち”があります。これまでは淡い“めぐりあい”でしたが、今回のトロッタ12で、“たびだち”になるかもしれません。トロッタ12が本当の“めぐりあい”で、今はまだ“たびだち”に至っていないかもしれません。しかし、詩のやりとりをし、楽譜をいただきましたので、すでに“めぐりあい”は過去のことになっています。
 想像力が乏しいのだと思いますが、堀井さんには、今までも若い、学生の印象があります−自分に対してさえ学生っぽさを覚えている始末ですから変です−。しかし、もはやそんなことはありません。若いというのは悪いことではありませんが、いつまでも若いだけではいけません−トロッタでご一緒している皆さんには若々しい印象を抱いています。それはそれでいいと思います。若さゆえのたくましさならいいでしょう。若さゆえのひ弱さではいけない、という意味です。私には、まだひ弱な点が多くあります−。堀井さんが詩を希望され、初めての歌曲として書かれた『女声三部とピアノのための「北方譚詩」1.北斗七星 2.凍歌』を通じて、互いに強さを身につけられればと思います。

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