2010年10月14日木曜日

「トロッタ12通信」.7 (*10.12分)

 私の詩と、宮﨑文香氏の作曲による『めぐりあい』は幸せな曲だと思う。トロッタ6からトロッタ11まで、6回も演奏されてきた。それも、回ごとに編曲者を変え、アンコール曲として、出演者はもちろん、お客様にも歌っていただいてきたのである。当然だが、トロッタの曲の中で、最も演奏回数が多い。
 その『めぐりあい』が、独唱歌曲として、メゾソプラノ徳田絵里子さんと、ピアノ森川あづささんにより、トロッタ12開幕の曲として演奏されることになった。編曲は、田中修一氏にお願いした。
『めぐりあい』の歴史を見よう。

「めぐりあい 夏」 編曲・酒井健吉 2008・6・8 トロッタ6
(註;当初、「夏」という副題はついていなかったが、以下、他の曲が生まれることになったので、後から「夏」とした)
「めぐりあい 冬」 編曲・橘川琢 2008・12・6 トロッタ7
「めぐりあい 若葉」 編曲・清道洋一 2009・5・31 トロッタ8
「めぐりあい 秋」 編曲・大谷歩 2008・9・27 トロッタ9
「めぐりあい 陽だまり」 編曲・田中修一 2009・12・5 トロッタ10
「めぐりあい 春」 編曲・長谷部二郎 2010・3・5 トロッタ11

 何度か書いたが、トロッタのアンコール曲を欲しいと思ったのが、『めぐりあい』誕生のきっかけである。アンコール曲というより、舞台と客席を含め、会場全体で歌える曲。ある方々の演奏を聴くため横浜に行った時。それはヴァイオリンとチェロとピアノの会だったから、客席を含めて歌うという形にはならなかったが、雰囲気として、会場全体の一体感を感じた。なるほど、アンコールというのは、その場にいる者がひとつになるためのものなのだなという思いがした。
 その思いが最も形になったのが、前回、トロッタ11での、アンコール曲としての最後の演奏だった。詩は6篇、生まれていた。そのうちの5篇を、出演者が朗読し、それに続いて、最も新しい『春』を、会場全体で歌ったのである。“詩と音楽を歌い、奏でる”という、トロッタのテーマが、あるいは、そこに実現していたかもしれない。
 原点の詩は、次のようなものである。

季節が夏に向かうころ
わたしたちはめぐりあう

風が吹いた
不安な街角
影に寄り添い
歩いていた

季節が夏に向かうころ
わたしたちはめぐりあう

鳥でさえ歌うのに
歌いたい
鳥と一緒に
明日こそ
晴れるようにと

どこへ行くの?
わからない でも
私は生きられる
ありがとう
あなたの歌を聴いたから

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