トロッタ1に続いて、2の詩篇も公開しました。まとめて作業しないと感覚がつかめないと思ったからです。
『唄う』は、“詩と音楽を歌い、奏でる”トロッタに向かう、私の基本的な姿勢を詩にしたものです。音楽、創作全般に対する姿勢といっていいかもしれません。“音楽の神”は、少し大きな表現になりましたが、誇張のない、私の考えです。初演は西川直美さん。2007年7月22日(日)、「名フィル サロンコンサート/詩と音楽2007」にて、児玉弘美さんの歌で再演されました。
『町』は、私が少年時代を送った、瀬戸内海に面した町の風景を詩にしたものです。炭鉱町でも似た話を聞きます。企業によって作られた町は、企業の都合によって生まれ、死んでゆきます。企業は、人を歯車としか考えていません。その町で育つ子どもの心に、どんな影響が及ぼされるか、思いもよらないでしょう。あるいは、考えないようにしている、というべきか。
『鼠戦記』は、この時は音楽のない、詩唱だけのプログラムとして取り上げられました。前回の『祈り』もそうですが、この形のものは、チラシに作品名を記しませんでした。何を詠むか、チラシ作成時には決めていなかったのです。後にアリアのための詩を加え、橘川琢氏の手で楽曲化され、詩歌曲『鼠戦記』として、2008年7月18日(金)の「名フィル サロンコンサート/詩と音楽2008」で、アルト、詩唱、ヴァイオリン、ピアノの編成で初演されました。トロッタの会でも、いずれ取り上げたいと思っています。
『雪迎え/蜘蛛』には、いろいろな思い出があります。初演は、2007年1月26日(金)、長崎市で行われた「kitara音楽研究所 第4回演奏会/大陸を渡る音楽」です。トロッタでは再演、東京初演となりました。この詩は、音楽を伴わない形で、単独でも、女声を加えた形でも、東京周辺の各所で4回ほど詩唱いたしました。空を舞う鳶の声に工夫を重ねたことが思い出されます。
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