2009年5月4日月曜日

トロッタ5の詩篇を公開しました

今回から2008年です。早稲田奉仕園のリバティホールが会場です。いいことかどうか、宗教施設で、一度、開催したいと思っていました。響きがいいという先入観があります。この思いは消えていません。

『緑の眼』は、2007年11月23日(金)、長崎市で開催された演奏会「美音彩歌〜長崎に集う作曲家シリーズNo.1〜」で初演されました。初演の打楽器は福田祥一さん。東京初演は鈴木亜由美さんでした。トロッタでは、鈴木さんの演奏が強い印象を残しました。SF的な内容を、私は気に入っており、自分では文明論だと思っています。詩に蜥蜴(とかげ)が登場したのは初めてです。いずれまた、現われるでしょう。

『いのち』は、イタリア在住の作曲家、Fabrizio FESTA氏の作曲です。日本語の詩で歌曲を創りたいという、彼の願いに応えました。音として把握しやすいのではないかと思う、文語体で詩を書きました。

『冥という名の女』は、松木敏晃さんの作曲です。その後、花を題材にした詩を多く書くようになり、作曲は橘川琢さんがなさっています。その場合は、花道家の上野雄次さんが登場するのが、定番のようになりました。しかし、それ以前に松木さん作曲による花の曲があったのだと、改めて思いました。松木さんと、またお手合わせしたい気持ちです。

『遺傳』は、萩原朔太郎の詩にもとづく、田中修一さんの歌曲です。私がバリトンとして初演しました。光栄なことです。朗読が入っているのも、私にふさわしい趣向です。感謝するとともに、いつかまた、よりよい歌唱をもって、再演させていただければと思います。

『うつろい』は、橘川琢さんの、唱歌のような歌曲を創りたいという願いに応じて書いた詩です。喫茶店が舞台です。どのお店という具体的なものはなく、これまでに経験した、さまざまな喫茶店の記憶をもとに、架空のお店を作り上げました。2009年3月22日(日)、「橘川琢作品個展2009『花の嵐』」で再演されました。何度演奏してもいい曲です。

『立つ鳥は』は、2007年2月25日(日)のトロッタ1で初演された曲の再演です。私が書いた、『伊福部昭 音楽彼の誕生』の後書きに、詩の断片が載っています。夢で見た詩でした。その時はもちろん、歌曲になるとは思わず、詩のすべてを把握してもいなかったのです。『トロッタで見た夢』は、お店の名前とストーリーを、夢で得ました。『立つ鳥は』は、それ以上に、無意識が詩そのものを創らせたといえるでしょう。

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