2009年5月30日土曜日

最後の練習が終わりました、本番当日

いよいよ、明日が本番となりました。先ほど、最後の練習から帰ってきたところです。
と書きかけたまま、明日の準備に取りかかり、そのままになってしまいました。したくをしていたら、午前3時半になってしまい、無理に寝ました。

本番当日の朝です。おはようございます。
トロッタ8の日がやってまいりました。今日はまた、故 伊福部昭先生のお誕生日でもあります。
雲が厚く、陽をさえぎっています。しかし、雲の向こうには陽があります。

9時半に会場入り、ほぼ同時に練習開始です。まず『異人の花』から。(註・本番のプログラムはチラシのとおりで、ここに書くのはリハーサルの順番です)昨日の練習で、初めて全貌をあらわしました。すばらしい曲です。バンドネオンが活躍します。上野雄次さんの花が、何を見せてくれるか。楽しみです。

続いて『砂の町』。この詩は、何の実体験もなく、純粋に想像だけで書きました。らしいといえば、これほど田中修一さんらしい歌はないでしょう。確かにスケール感があります。阿佐ケ谷の駅前を歩いていて、ふと降りてきた詩が、こんな風になるとは。

『蛇』は、ずいぶん大がかりなことになりました。私は蛇になれるかどうか。一橋大学が出てきますが、清道洋一さんによると、一橋の校章には、蛇があしらわれているそうです。縁があったわけです。これもまた清道さんらしい、仕掛けをお楽しみに。音楽にも、視覚性はあります。オペラのように。

『仮面の舞』は、昨日、最も長く練習をしました。今井重幸先生には、何度も阿佐ケ谷で会うのです。それにずっと以前から、面識を得、トロッタにも足を運んでいただいていました。ぜひ一度、御一緒したいと思い、実現できました。代表曲といっていいのでしょう。それを演奏させていただけることが幸せです。

『四智讚』には、チラシにありますとおり、甲田潤さんの思いがこもっています。昨日は、声明の小島伸方さんと初めて御一緒できました。東京音大の卒業生でいらっしゃるとか。人と人のつながりが、音楽になります。音楽がまた、人のつながりを生みます。

『変容』。並木桂子さんが会場で弾き、この後に続いて山田令子さんが伊福部昭先生の『日本組曲』を弾くのを聴いて、感慨に襲われました。今井先生もそうなのですが、特に甲田さんは、伊福部先生の弟子として、お身の回りをお助けしてこられました。それが甲田さんの姿として印象深く、師弟の曲が同じ会場で、しかもお誕生日に演奏されること、それが双方ともピアノ独奏曲であることに、心を動かされない人はないでしょう。

『日本組曲』をトロッタ8で弾くために、山田令子さんはアメリカから帰ってきました。誰もが、どこかから来るわけですが、外国から来てくださったという事実は特筆しなければならないでしょう。伊福部先生19歳の曲を、私たちは聴くのです。これ以前にもギター曲などがありますが、今に楽譜が残り、現代のピアニストが繰り返し演奏している、実質的な伊福部先生の出発の曲、音楽家の誕生を告げた曲です。

『めぐりあい』。何度聴いてもいい曲です。お客様と私たちのめぐりあい、演奏者同士のめぐりあい、作曲家と演奏家のめぐりあい、音楽と音楽の、人と音楽のめぐりあい。それがトロッタであり、そのような場を象徴してくれる曲です。

『オリーブが実を結ぶころ』は、私の詩の領域を拡げました。このようになるとは、誰も想像していなかったでしょう。それだけに、作曲家、成澤真由美さんらしさが出ています。会場で聴くとどうなるのか、作詩者自身が楽しみです。成澤さんも、そうではないでしょうか。

皆様、出かける時間が近づいてまいりました。本番の会場で、お目にかかります。ありがとうございました。

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