前回の「トロッタ通信 10」は、伊福部昭先生の歌曲『知床半島の漁夫の歌』から書き始めました。今回もまた、伊福部昭先生の作品から、始めます。
バリトンの根岸一郎さんは、伊福部先生の曲を歌いたいというご希望で、前回から、トロッタに参加してくださいました。作曲家がまず曲を書いて、という印象のトロッタですが、演奏家の側から、こういう曲をという希望が、もっとたくさんあっていいと思います。トロッタ8では、山田令子さんも、伊福部先生の『日本組曲』を演奏してくださいました。*運営システムともかかわる問題なので、それが増えた場合、システムの見直しが必要とは思いますが。
私にとって、伊福部先生の歌曲について考えることは、“詩と音楽を歌い、奏でる”トロッタのあり方について、考えることです。作曲家が、詩と出会い、詩をどのように音楽にするか。あるいは、していこうとするか。その心の動きが、私には共感できます。つまり、作品を創るということ。何もないところに何かが生まれる。何かを生む。これが、私の気持ちをかき立てます。
0 件のコメント:
コメントを投稿