2010年1月5日火曜日

「11へ」;10

田中修一さんから連絡があり、本日、新曲が完成したそうです。曲名は以下のとおりです。

ムーヴメントNo.2~木部与巴仁「亂譜 瓦礫の王」に依る
MOVEMENT No.2 (poem by Kibe Yohani “RAN-FU, Guwareki no Wau”)
for 2Voices, Marimba and Piano

トロッタ3で初演され、昨年のトロッタ9で再演されました「ムーヴメント」の続篇です。初演のタイトルは、『声と2台ピアノのためのムーヴメント〜木部与巴仁「亂譜」に依る』でした。再演時は、編作版初演として、2台ピアノをエレクトーンと打楽器、ピアノに置き換え、『ムーヴメント〜木部与巴仁「亂譜」に依る』と題されました。
早々と完成しましたので、トロッタ11にじゅうぶん間に合います。ただ、完成できるということが不確定でしたので、田中さんが想定する打楽器奏者に声をかけていません。トロッタ11での演奏は、奏者の日程次第、ということになります。しかし、いずれは演奏します。記念ということもないのですが、本番までの経過をお伝えする意味でも、詩を掲げておきます。
ちなみに、「瓦礫の王」というタイトルは、私が学生時代に考えついたもので、ある作家の論文のタイトルとしてあたためていたものです。もう、論文のようなものを書く気はありませんので、詩の題にいたしました。
ちなみに、「ムーブメント1」に用いられました詩「亂譜」は、サイト「トロッタの会」全記録と全詩篇に掲げてありますので、ご覧下さい。


瓦礫の王

瓦礫なり

天まで続く 瓦礫なり

眼(まなこ)を奪う

満月

人はなく

銀(しろがね)の光

瓦礫を照らす


舞えよ

月下に われひとり

歌えや

月下に 声をふるわせて

見る者はなし

聴く者はなし


夜は深し

どこまでも深し

落ちゆく先は 底なしの闇

風の音のみ聞いたという

死者の繰り言


舞い続け

舞い続けて月に向く

立ち木として死ね

心に残す

何ものもなし

明日(あした)に残す

一言もなし

瓦礫の王が

ただひとり舞う


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